KORT 施工要項
1.使用前の注意事項(必ずお読みください)
防火材の指定がある場合は以下の点を必ず守って下さい。
・適用下地は法定不燃材料(平成12年建設省告示1400号、同1401号、同1402号)に限られます。
・トップコート(ツヤ有り・ツヤ消し)は使用できませんのでご注意ください。
・混和液を足す場合は規定量+2%を上限としてください。
・KORTを塗る厚みは1.5㎜までとしてください。
・KORT専用シーラーの塗布は全体を通して2回までとしてください。
その他注意点
・本製品は下地のクラックや躯体の動きによる割れを防止することは出来ません。適切な下地処理を行い施工してください。
・本製品を使用するにあたり、粉体や液体の重量を正確に測る必要が有ります。粉体及び液体であれば1g単位で測れる計器を、色粉の場合は0.1g単位で測れる計器を推奨します。目分量での施工は絶対にしないで下さい。
2.施工手順
(1)養生作業
・KORTやシーラーが付着すると困る箇所 ( 柱・家具・家電・床など ) へ養生テ ープやマスキングテープ、マスカー等を使い養生してください。
(2)下地準備
…各種下地の種類に合わせて施工してください
【石膏ボード下地】の場合
・板と板の継ぎ目には HSスーパーメッシュ等のファイバーテープを張り、パテ処理をして下さい。
・ビス穴もパテ埋めして下さい。
※パテ埋めに KORTは使用しないで下さい。水引が他の面と大きく変わるので最終仕上げ時に継ぎ目が浮かぶ可能性が高くなります。
【構造合板・ベニヤ板下地】の場合
・アク止めシーラーを塗り 24時間以上乾燥させて下さい。
※但し、 KORTを下塗りし 1日乾燥させた後に 2回塗りする場合はアクが止まるのでこの作業は必要ありません。 KORT2回塗り仕上げはアクが出るので必ずアク止めシーラーを塗布してください。
・板と板の継ぎ目には HSスーパーメッシュ等のファイバーテープを張り、パテ処理をして下さい。
・ビス穴もパテ埋めして下さい。
※パテ埋めに KORTは使用しないで下さい。水引が他の面と大きく変わるので最終仕上げ時に継ぎ目が浮かぶ可能性が高くなります。
【モルタル・コンクリート下地】の場合
・不陸調整が必要な場合、厚みが 1 ㎜以上ある場合は厚みに合わせた補修専用材で補修してください。1 ㎜以下であれば KORTでの補修も可能です。補修時は先に水引調整材を塗布してから作業してください。
・クラック部は HS スーパーネット等のガラス繊維ネットを張り、ネットが隠れるように補修してください。
補修後は塵や埃を掃除して下さい。
(3).KORT専用(スーパー)シーラー塗布
・「②下地準備」が終わり、各種パテや補修材が乾燥したのを確認後、 KORT専用シーラー、もしくはスーパーシーラーを原液のまま全面に塗っていきます。 (希釈はしないで下さい )
広い面はローラーで塗り、壁際などのシーラーが付着すると困る箇所は先端の細い刷毛で丁寧に塗布してください。ローラーで隅も塗ろうとすると養生をしていてもテープの隙間から浸透する事があります。
※塗布後は必ず乾燥させて下さい。
【各シーラー別の用途】
・ KORT専用シーラー
効果:付着強化。若干の吸水調整。下地からの吸水防止効果無し。
適用下地:モルタル・コンクリート等強度が有り、適正な下地用。
・ KORT専用スーパーシーラー
効果:付着強化。高い吸水調整効果。下地からの吸水防止効果。
適用下地:木類・ケイカル板等吸水が激しい下地用。脆弱な下地。水回りなど。
(4).KORT材料の用意・練り混ぜ方法(下塗り・中塗り・上塗り共通)
【1材料用意】
粉体 20㎏に対して混和液 4㎏ (+ 400gまで )を用意してください。 (粉体の 20~ 22% )
例:粉体 1㎏の場合、混和液は 200g(220g)となります。
【使用目安】1㎡あたり塗厚 0.5㎜で KORT粉体約 830g以上必要になります。
※下地の状態や塗厚によって増減する事があります。
【2材料練り混ぜ】
混和液を容器に入れます。
※カラーを入れる場合は色粉と混和液を先に混ぜ合わせてください。
その後に KORT粉体を入れて全体を混ぜ合わせ 2分前後撹拌して下さい。撹拌は最大 3分までにして下さい。
※必ず電動の撹拌機をご使用ください。手による練り混ぜはダマの原因になります。
※色粉を入れて材料が硬くなった場合は混和液を+2%程まで足して下さい。
(5).KORT下塗り
【1KORT下塗り】
硬めの鏝で出来るだけ平滑に (0.3~ 0.5㎜厚 )塗ります。
この時大きなコテ波や凹凸があると仕上げ塗りの時に、凸部の色を濃く出す事ができます。
※ KORT下塗り時に HSスーパーネット# 17を伏せこむとよりクラックが起こりにくくなります。 (必須ではありません )
HSスーパーネットの#19はよりクラックが入りにくくなりますが、伏せこむ場合はネットに厚みがある為網目が仕上がり時に出る事が有ります。防ぐためには 1度目を塗付け時に伏せ込み、硬化しましたら再度下塗りを塗る事で表層に網目を出にくくすることが出来ます。下塗り後はよく乾燥させて下さい。
土間等で強度が必要な所への伏せ込みは、 HSスーパーネット#19を推奨します。
※塗付後、半渇き状態の時軽く鏝で撫でると表面の凹凸を多少減らす事が出来ます。仕上げによって変えてみてください。
(6).中塗り
(壁などで下塗りが不要の場合は中塗りから始めてください。)
【1養生作業】(必要に応じて )
【2KORT専用(スーパー)シーラー塗布 】(必要に応じて)
KORT下塗り面に KORT専用シーラーを塗布してください。気温が 5℃~ 15℃の時は乾燥が遅くなります。 15℃~ 30℃以上の時は急な水引きの防止ができます。気温や作業工程、人数に合わせて塗布するかしないか判断してください。
シーラー塗布
【3材料用意】
材料は4ページ、「④ KORT材料の用意・練り混ぜ方法」をご参照ください。
【4KORT中塗り】
・硬めの鏝 (0.5㎜以上の塗付鏝もしくはステンレス製鏝等 )で出来るだけ平滑に約 0.5~ 0.8㎜厚を塗り付けます。
・パターンは荒く塗ると仕上げ時に柄が出ます。
・施工後約 30分前後 (気温により前後 )で、半渇き (材料に艶が無くなり、触っても材料が動かなくなった状態 )になった後、上塗りに進んでください。
※必ず材料がある程度しまって動かなくなる事を確認して上塗りを進んでください。柔らかい状態で上塗りをすると中塗り層が動いてしまい特有のモコモコとしたムラがでたり、クラックが出たりする事が有ります。
あっさりとしたパターン
時間との勝負です。
粗く中塗りをした直後。塗った直後の様な濡れた艶は無いですが、まだ水分を持っている為濃い色合い状態。この状態が上塗りに入るベストタイミング。
(7).KORT仕上げ塗り
(1)材料は 「4.KORT材料の用意・練り混ぜ方法」 をご参照ください。
※ KORT上塗りは、混和液を追加で 1~ 2%入れて柔らかくすると塗りやすくなります。
(2)柔らかめの鏝を使い出来るだけ平滑に約 0.3~ 0.5㎜厚以下で塗り付けてください。
(3)塗り付けた後、すぐに (追っかけ )で余分な材料を取り除きながら頭を張って下さい。
※作業イメージとして片方に鏝を持ち、もう片方にヘラやコテ板を持ちます。鏝で材料を押さえつつ余分なモルタルを取り、ヘラやコテ板で鏝に付いた余分な材料を取って下さい。素材間に、より細かくモルタルを詰めていく工程です。
(4)水分による表面の艶が消えるのを待ちます。
(5)押さえ。
柔らかい鏝で表面を軽く押さえます。水分が引ききって材料が締まり動かなくなったら徐々に硬く押さえていきます。
※硬押さえはタイミングが早すぎるとエアーが入り剥離します。硬化が早い段階では強い力を加えるのは控え、やさしく目詰めしてください。押さえ時には濡れたタオル等を持ち、コテに付いたモルタルを拭き取りながら作業してください。
(6)硬化後も継続的に押さえると濃淡がくっきりと出てきます。
※押さえすぎると鏝の鉄分が表面に付き黒変するので想定している仕上がりに近い段階で止めてください。
「カラー:アズールブルー」硬押さえタイミング時。
濡れ色の艶が消える直前。
「カラー:アズールブルー」完全乾燥後 (研磨無し )。
柔らかい印象に。
(8).研磨仕上げ(必要に応じて)
研磨後の拡大写真
・研磨は、材料が完全乾燥後さらに2~4時間後(冬場は翌日以降)ある程度硬化を確認してから電動の研磨機でペーパーがけしてください。
※研削砥石は使用しないで下さい。
※材料が細かく削られて飛んでしまう場合はまだ硬化していないので翌日以降に研磨してください。
※研磨をすることによって、濃淡がより分かりやすくなります(鏝押さえよりもくっきり出ます)。若干の艶が出る仕上がりになります。艶に関しては、水に濡らしたタオルを固く絞り水拭きすると落ち着きます。
※施工後すぐに水拭きするとタオル等に若干色が移りますが、1ヵ月ほどで水拭きによる色落ちは納まります。(使用する色粉により変わります。)
(9).トップコート仕上げ(3回塗り)
◆使用量 (主剤+硬化剤を足した分量です )
・ 1回目 45g/㎡
・ 2回目40 g/㎡
・ 3回目 40 g/㎡
・合計 125 g/㎡ ・ 1㎏セットで約 8㎡施工可能
◆可使時間
・主剤と硬化材を混ぜ合わせた後は 2時間以内に使用して下さい。
◆施工に関する注意点
・プールなど水が常時たまる場所への施工は推奨しません。
・定期的にメンテナンスしてください。汚れを落としたのち、本トップコートを重ね塗りして下さい。
・屋外の土間への施工は摩耗による耐久性の観点からお勧めしません。
◆施工手順 (次ページ作業上の注意点も見ていただくと失敗しにくくなります )
1.下地が完全乾燥している事を確認し、塵、埃、汚れは掃除してください。
2.養生が必要な場合は養生してください。
3.主剤 4:硬化剤1の割合で材料を撹拌容器に入れ、電動ミキサーで 1~ 2分ほどよく撹拌してください。
※手で混ぜたり、容器に入れて振る等では硬化剤が混ざりませんので必ず電動ミキサーで撹拌してください。可使時間は 2時間以内です。それより長く置くと泡が出やすくなります。
4.塗料用容器に入れ、短毛ローラーで塗り付けていってください。
壁面に塗る場合は液垂れが起こらない様にしたから塗り付けてください。
5.全面に塗布後乾燥させ(夏場約 45 分以上、冬場1~3 時間前後)2 層目を塗り同様に乾燥時間を置き、3 層目を塗って下さい。
例
施工時間 9: 00 ⇒ 10: 00 ⇒ 11: 00
塗り回数 1層目 ⇒ 2層目 ⇒ 3層目
※2層目、 3層目を塗るまでの間隔が長い方がより強度が強いトップコートになります。 (完全乾燥後塗り重ねる方が強い傾向にあります )
6.養生期間は夏場 24~48 時間、冬場は 1~2 週間養生してください。
養生期間中は水に濡れないように注意してください。水がかかった場合は速やかに拭き取って下さい。
※トップコートの強度は厚みが厚いほど強くなり、乾燥が進むほど強くなります。お風呂場などに使用する場合は 3層ではなく、 5層以上塗る事でより水が浸透しにくいトップコート層を形成することが出来ます。
◆作業上の注意点
・新しいローラーは使用前に養生テープなどを張り付けて抜けやすい毛束を取り除いてください。
・ローラーは使用前に水で濡らして硬く絞ってから使用して下さい。
・必ず短毛ローラーをご使用ください。
・ 1回目を塗り終わった後のローラーはそのままにせず、一度水洗いし水分を良く切ってから再度ご使用ください。
・主剤と硬化剤を混ぜ合わせたトップコートは必ず 2時間以内に使い切るようにして下さい。残材は廃棄してください。
・使用済みの短毛ローラーは泡が入りやすくなる事が有ります。泡が入る場合は新しい短毛ローラーに変えてください。
・養生テープ等を剥がす時はトップコートを一緒に剥がさない様にカッターナーフなどを利用し最新の注意をしながら剥がして下さい。
・壁の場合、下から塗り上げていくと液だれによる筋を防ぎやすくなります。
(10).KORT 遅延剤使用方法
■使用量別可使時間 (硬化時間ではありません。 20℃以下では使用する必要はありません。 )
※上記時間は目安です。粉体や液体の温度等によっても上下します。
■混入方法
・使用する予定の計測した粉体に投入し、軽く混ぜ合わせてご使用ください。
■注意点
・ コルト専用混和液に直接混ぜないで下さい。混ざらずダマになる事が有ります。
・使用する色粉により粘度・凝結時間は変わります。
3.KORT製品全般の保管注意点
・KORT粉体は床面に直接保管せず乾燥した室内で保管してください。
・KORT専用混和液やシーラーは保管していると中の成分が沈殿します。使用前に十分に容器を振ってから使用して下さい。
・KORT粉体及びKORT専用混和材は直接日光が当たらない風通しの良い所へ保管してください。
・KORT専用混和液は5~30℃で保管してください。
・製造後半年以内に使用するようにして下さい。
4.廃棄について
・粉体及び液体空容器は内容物を除去してから、国/都道府県/市区町村の規則に従って廃棄してください。
・残材は産業廃棄物として適切に処理してください。
・残材や洗浄水は河川に流さないようにしてください。
5.DESIGN MORTAR KORT とは
KORT(コルト)は堆積岩のイメージを細部まで追求したデザインモルタルです。
このモルタルは、高いデザイン性とこだわりを持つ人に選ばれる左官仕上げ材として、マットな仕上がりでありながらサラサラな肌触りの風合いが特長です。時間の経過とともに表情が変化し、強度と耐久性が増していくことも特徴です。また、高炉スラグやシリカヒュームなど再生資材をセメントの一部と代替することで、環境に配慮したモルタルでもあります。この「KORT」は、あらゆる建築物を高級感のあるクオリティ高い空間に短時間で変身させる「魔法のような」モルタルです。あなたの創造する世界を無限のイメージへと膨らませることができます。
●用途
・室内壁や室内床、什器(日常生活家具)等を塗り厚約1.0~1.5㎜で意匠性のあるモルタルへと仕上げます。
●製品特性
・特殊セメント及び樹脂を使用した白色のモルタルです。
・透明な砂を使用することで各カラー発色に優れます。